横道清英

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・「耐震等級3相当」の誤解

「耐力壁が建築基準法の1.5倍以上あるので耐震等級3相当です。」と言うのを耳にしますが、誤解している方が多いようです。耐震等級3の基準は、建築基準法で想定する1.5倍の地震力に耐えられるということであり、単純に耐力壁の量が1.5倍ということではありません。(等級2の基準は、建築基準法で想定する1.25倍の地震力に耐えられるもの)もちろん「耐震等級3相当です。」と言う言葉に騙す意図はないのでしょうが、1.5倍が耐力壁の量だと思い込んでおられるのだと思います。かく言う私もそう思い込んでいた内のひとりなんですが。少々専門的な言い方になりますが、耐震等級3をクリアーするためには、耐力壁の量では私どもの富山県であれば、各階、各方向で建築基準法で定めるものの2.5~4.8倍にもなります。(建物により差があります。)その他、偏心率の検討、接合金物のN値計算はもちろんの事、建築基準法では定められていない水平構面の検討も必須です。また積雪を含む建物の荷重に応じた、アンカーボルト・座金のサイズ・横架材・基礎構造・補強筋などスパン表での検討、もしくは許容応力度計算ですべてクリアーしなくてはいけません。耐震等級3もしくは2をクリアーするために、何百ページにも及ぶ書類で根拠を示しております。「耐震等級3相当です。」と簡単に言われるとちょっと悲しくなるのです。住宅取得を考えておられる方は頭の片隅に入れておいてください。

・住宅性能表示制度・耐震等級3の家

申請した新築住宅の性能を、4つの必須項目と6つの選択項目で第三者機関である住宅性能評価機関が客観的に確認し評価することにより、安心して住宅を取得することを目的としています。必須項目である耐震等級の最高等級3の場合には数百年に一度発生する地震の1.5倍に対して倒壊せず、数十年に一度発生する地震の1.5倍に対して損傷しない高い基準がもうけられています。また私たちの暮らす富山県は多雪地帯として、150cmの屋根雪の重さを加算するため、設計によっては建築基準法の2倍~4倍以上の強度が求められます。また必須項目である「温熱環境」では断熱材、サッシなどの熱伝導率から家の外に漏れ出す熱を数値化し、4を最高等級として断熱性能を評価します。取得のメリットとしては、地震保険が最大50%割引(等級3)になるなどが挙げられますが、何よりも今までは各々が漠然と「うちの会社の住宅は強くて冬は暖かいですよ」とうたっていただけの物を、評価機関に客観的に性能を認めてもらうことにより、大きな安心を得られることではないでしょうか。また我々設計者も、性能表示住宅を手掛けることにより、ワンランク上の知識や技術を身に付けられ、それらを還元することにより、さらなる住宅設計のレベルアップにつなげていけます。そして申請しなくても、そうした知識と技術を持った設計者に依頼することも、一つのメリットになるのではないでしょうか。※申請には手数料がかかります。

・介護保険・住宅改修費の支給